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ここでしか書けない創刊秘話

音楽誌「音に生きる」創刊までの挫折・苦労・感動…悲喜こもごもの本音を編集長が語る!

絢香取材、遅刻はイカンよ

【第23話】
容赦なく次々と襲ってくる締め切り地獄(バイク)。
たいした実力がないクセに、その力を分散させなければならない悲しさ。
遅れに遅れた進行への焦り。
普通ならストレスで胃潰瘍のひとつでも演じられそうなものだが、
ボクの耐久性の高い体は一切の悲鳴をあげない。
やはり弱いところにくるんだな、
足りない頭だけはいろんな意味で毎日痛いのだった。
そんな合間をぬって、
コンベンション(第14話参照)で申し込んだ絢香のインタビュー当日を迎えた。

別件、朝イチのアポをすっぽかされてイライラしながら向かった都内のホテル。
ロビーで待ち合わせた印南が時間どおりに来ないのである。
売れっ子のインタビューゆえ、もらった時間はたった1時間だ。
イライラが続く、どこまでも。

ボクは仕事以外の約束はルーズな方だと思う。
2時間近く待たせておいて
「このくらい待てないと、オレとはつき合えないよ」
と言い放つほどだったなんちゃってミュージシャン時代。
さすがに最近はここまでひどくはないが、
プライベートはけっこうダメダメ人間が続いている。
だが、仕事では別人。
先日もホンの1〜2分だが遅れた忍に
「お前はそんないい加減なヤツなのか。10分前には来て待っているくらいじゃなければダメだろっ」
と怒鳴ったほど。

約10分遅れで到着した印南を怒鳴りつけたいところだが、
時間がもったいない。
彼女が待っている部屋へと急いだ。
「よろしくお願いします」
「顔、小っちゃ」
村上春樹さんの『テレビピープル』を思い出しながらインタビュー開始。
とにかくポジティブ。
どこまでも真っ直ぐ。
歌に対する愛情の深さと強さがビシバシと伝わってきて
「コイツはスゲエや」
とうなずくばかり。
家族のことを愛して、そして愛されていたから歌で生きることへの深い理解も得られたのだと言う。
「家族全員、血液型がO型なんです。だから家がほんとに明るいんですよね」
「そうそう、妙にテンション高くありません?」
実はボクも同じ環境で育った。
彼女は姉妹、うちは兄弟だが、
ヘンなところで話が盛り上がっていく。
「とにかく前向き」
「ケンカが長続きしない」
「笑い声がデカイ」などなど、
本文では省略したがO型ファミリーには興味深いところだろう。
短い時間ながら、濃い内容のインタビューを終えたコンビ(この日、忍は別取材)。

朝から続いていたイライラは、
うまくいったインタビューですっかりと晴れていて遅刻のことは忘れていたところに
「今日は遅れてすいませんでした」
と、印南。
「あっ、そうそう。今後無いようにしてくださいね。ところで打ち合わせをかねて飯でも食いません?」
と、軽く流した。
もう終わりに近い、夏のカレーフェア中のファミレスで汗を流す戦士が2名。
さあ、もう1ヶ月を切った残された時間。
迫りくる創刊へのまとめ込みがとてつもない苦労を連れてくることを2人は知っている。
触れない。
そこにまったく触れずに打ち合わせらしい話は皆無のままファミレスを出た。
「じゃあ、編集部に戻るんでがんばって原稿を書き上げてくださいね」
こう告げるのが精一杯で、それぞれ帰路についた。