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ここでしか書けない創刊秘話

音楽誌「音に生きる」創刊までの挫折・苦労・感動…悲喜こもごもの本音を編集長が語る!

差しで呑る

【第18話】
予定よりずいぶんと押してしまったHOME MADE 家族インタビューを終え、この日の次の約束へ。
印南と別れ、急ぎオフィスへと戻ると川俣さん(第16話参照)が企画を持参して待っていてくれた。
「アルバイトから音楽業界へのステップアップのノウハウをいろんな角度から取材してきますよ」と川俣氏。
さすがに業界歴が長いだけあって、次々と取材対象の候補を挙げていく。
スムーズに進んでいった打ち合わせは8時過ぎには終了。
さて、どうしよう。
この先輩と呑みたい、正直な気持ちである。
だが、誘うのはちょっとばかりの勇気とためらいがあって、揺れる乙女心のようなのだ。
というのも、差しで呑むということをボクは重たくとらえているから。
死んだオヤジがよく言っていた、酒の席は、特に差しは大事にしろと。
お互いにとってネタは相手しかいないのだから、双方頑張らなくてはならない。
だからそうとう気に入ったヤツしか誘わないし、嫌いなヤツからの誘いはできるだけことわる。
ボクの立場(たいしたものではないが)だと接待を受ける場合もしばしばある。
相手も仕事だろうから断りづらくてねぇ。
でも残念ながら後悔することの方が多い。
時間がもったいないし、せっかくの酒や料理がかわいそうだとまで思ってしまう。
だから逆に誘うときはそれなりの覚悟というか、決意を込めるから断られるとけっこうヘコむ。
ねっ、揺れる乙女心でしょ。

「川俣さん、一杯呑りません?」
「行きましょう」との返事。
ホッ。
ルンルン気分で夜の赤坂へと出かけた。
中華でビールをガンガン呑み、盛り上がってきたところで2軒目のバー。
ギターマガジンの元編集長だもの、やっぱりギターネタで盛り上がるよね。
そしてやはり気になる、新創刊。
「今日ネェ、ヒック、HOME MADE 家族のインタビューだったんですけど、スゲェ、いいヤツらで。ヒック」
もうこっちはずいぶんと入っている。
「いいことですよ。編集長はできるだけ現場に顔出しといた方が」
自分でよかれと思いやった行動を大先輩に肯定してもらい、時間がある限り(ほとんどないのだが)行くことを誓った夜である。