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ここでしか書けない創刊秘話

音楽誌「音に生きる」創刊までの挫折・苦労・感動…悲喜こもごもの本音を編集長が語る!

ついに始まった、初取材

【第13話】
月も後半に入った18日、ついに取材が始まった。
『音に生きる』の記念すべき初取材は、手作りフェスの仕掛け人としてお願いした河津氏である。
コンサート・プロモーターの大手『ディスクガレージ』に所属し、数々のライブやイベントを仕掛ける彼が、なぜ無料のフェスを開くのか?
もちろん本誌で読んだよね。
えっ、まだ? そんな方は本屋へGo。
売り切れ書店も続出なんで、注文した方がいいよ(以上、PRコーナーでした)。

夏真っ盛りの午後1時に待ち合わせ、うー暑い。
オフィスの電気事情(第10話)は相変わらずなんで、この夏は内外で暑さにやられまくっている感じ。
それでも初取材という緊張感とワクワク感で、気分はすこぶるよい。
「初取材だネェ」
「そうだね、いよいよだね」
編集長&副編集長のシンプルな会話。
2人とも40歳を越えた、社会的見地からすればいい大人であるが、この歳にして音楽誌をゼロから始めようっていう、ネジが何本か外れたコンビである。
「いよいよだよね」
「そうだね」
この初陣に、それなりの想いを持っているためかあまり会話が弾まない。
しかも初仕事への取り組みというよりワクワクしちゃってる、2人あわせてもうすぐ90歳コンビ。
「始まるんだね」
「そうだね」
えーいっ、もういいわい!!
同行は忍。
はやいところ現場の空気とうちのやり方を教えたいからと、忙しい中かり出した。
ライティングとインタビューは印南が担当するので、ボクはいてもいなくてもどうでもよさそうだが、実はそんなことないのである。
いまだテイストに悩んでいる編集長としては、少しでも現場の空気を吸い込みたい。
ましてやこの業界に対して、新参者というより完全なるシロートと言ってもよい。
一人でも多くの人と会って顔をつくらなければならない。
が、ただついてきてももったいない(でた〜、ケチ社長)から、カメラマンとしてバッグを担いでいるのだ。
こうして1つの取材スタイルが確立したのである。
編集として忍がアポ取りと質問内容など、細かな部分を事前に調整。
それに基づいて印南がインタビュー&ライティング。
忍とボクが補足でインタビュー。
さらにボクは撮影。
うん、いいか悪いかわからないが、とにかく1つの取材フォーメーションができあがった。

無事、初取材を終え近所の茶屋で打ち合わせ。
濃いインタビュー内容に各自健闘をたたえあったトリオだが、後日、忍から決定的な弱点を指摘されることになるとは、この時点では知る由もなし。
じゃー、またねーと次の現場へと別れた。
この日、また少しだけ前進したような気がした。
河津さんの話を通して、音楽業界で生きているリアルな一生懸命がビシビシと伝わってきた。
「内情を言ってしまえば、どんなイベントにもなんらかのしがらみがあるもの…」と語る。
そう、ビジネスとして成立させなければならないのである。
だがそのうえで、あえて無料のコンサートを自身の力でつくりあげていく。
「純粋に自分が好きなバンドだけを集めたイベントをいつかやりたいと考えていた」と情熱的に話す彼は、スマートでカッチョイイとイメージしていた業界人とはかけ離れた、泥臭くて人間臭い方だった。
感動をつくる側は、やはり熱い人間なのである。