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ここでしか書けない創刊秘話

音楽誌「音に生きる」創刊までの挫折・苦労・感動…悲喜こもごもの本音を編集長が語る!

CD(チーフデザイナー)就任の裏側

【第3話】
「創るよろこびを感じたいよね。ヒック」

「そうっスよねぇ。ヒック」

この酔っぱらいは新井、酒に強いが女にはあんまり強くない(と思う)。
ぼーっとしているようで、本当にぼーっとしていることが多い、恐ろしい男である。
制作部門の長を務め、編集のデタラメな進行を受け止め、切り盛りする日々を送っている。

この日、会社の仲間5人で6時過ぎから飲み始め、まず2人が減り、最終電車を理由に1人減り、残されて4軒目の安いバーでのことある。
「今度のさぁ、音楽関係の本なんだけど。編集長やることにしたんだ」
「大丈夫なんですか」
いつも進行面で迷惑かけているだけに、新井が発したこの言葉の裏側にはたくさんの情報が詰まっている。
“今だってちゃんとできてないのにどうすんのよ”“だいたいあんたいつも引っ張りすぎるんだよ”“台割り(本の設計図かな)出てくるの遅いからヤダなぁ”“etc”
酔っぱらった瞳の奥でさえ、これだけにじみ出てくるのだから、普段の怨念は計り知れないものがあるなと震えながら、ボクは己の保身のため、大胆な策に出た。
酔いを一瞬押さえ込み、極めて冷静にして言ったのが冒頭のセリフ。
続けて言った、決めゼリフ。
「うん、そうだね(ヴォリューム小さめ、何かを自分にさとすような目で)。………(このヒッパリは重要さすがミュージシャンなボク)。(そして一気にヴォリュームアップ&目線バシッ)新井さんさぁ、CDやりなよ(キ、キマッタ)」※CDチーフデザイナー
「えっ、ボクですか?」
「そうだよ、だってこれまで立ち上げのCDはやってないじゃん」
現在彼は2誌のCDを務めているが、双方引き継いでのものである。
「うーん、できますかねぇ」
「大丈夫」
いくつかの議論を経て新井は「やります」と力強く答えた。
「そうだよ“一緒に”がんばろう」
フッフッフッ“一緒に”なのだよ、運命共同体なのだよ。
スピードスケートの清水選手がメダル取ったときにすげえコメントを出してた。
「スターターを自分の磁場に引きずりこんで、ピストルを打たせる」って。
編集長という仕事は、あの手この手で自分の磁場に引きずり込むのじゃ。

まっ、とにかくがんばろうね、新井さん。