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ここでしか書けない創刊秘話

音楽誌「音に生きる」創刊までの挫折・苦労・感動…悲喜こもごもの本音を編集長が語る!

編集長就任の裏側

【第2話】
「そんでさあ、誰につくらせるの?」

チーム員たちにボクは無邪気に問いかけた。
「それはやはり社長が」
「ちょっ、ちょっと待て」
そう、ボクはぬぁんとこの会社の社長なのだ。
どうりで忙しいはずだよねぇ、と、他人ごとのように突っ込みたくなるが、本当に忙しいのである。
従業員50人ちょっとの中小企業のトップなんざ『なんでもやりますアナタのために』ってな仕事なのである。
突発的に派生する仕事やトラブル処理が多く、アポ変更が日常茶飯事で「あのー、ちょっとスケジュール動かしていただけませんか?」が必殺技の1つ。
そのうえ、どんなに忙しく大量の仕事をこなしても、どんなにクオリティの高いものを作ろうと、できて当たり前、褒めてくれる人間などこの世に一人も存在しない。
反面、ちょっとでも失敗しようものなら地獄行き。
社員から退職願いが出るたびに大泣きし、飲み会で繰り広げられた陰口大会のうわさに落ち込み、売り上げ低迷のたびに悩むのである。
あれっ、なんの話しだっけ?
とまぁ、愚痴をつらつら書きましたが、来年15周年を迎える我が社にとっていろんな意味でターニングポイントでもあるときに、新雑誌の編集長は絶対に無理、ムリ、むり。
たしかに正月には誓いました、創刊するって。
でもねぇ、5kg痩せることも誓ったし、実家のおふくろに月一回顔出してやることも誓った。
正月の誓いなんざぁ、そんなもんじゃ。
だからね、無理。
「アッハッハ。ご冗談を」と、ごまかしながら「誰が適任かねぇ。やっぱり○○じゃない、音楽好きだし…」
「えっ、でも社長は音楽やってたし、今も続けているし。だいいち、これまでウチの立ち上げはほとんどやってきたじゃないですか」
確かに最近だけでも、去年1冊、今年2冊。
計3冊の創刊を手がけた。
驚異的なペースだが、得意なバイクの世界の話。
今回はなんてったって異業種への船出なのである。
「社長がやらないと売れませんよ」
おーっ、いきなり出たっ、豚を木に登らせる決めゼリフ。
メンバーの一人、秋山がはいたこのセリフにボクは考えた。
人間、頼られているうちが華。
あと10年経ったらお願いしてもやらせてもらえないかもしれない。

「えーい、やったろうじゃないの」

木に登った豚は、この夜、ひとり飲み屋で考えた。
今かかえてる仕事に、新雑誌の創刊をプラスしたら…、少なく見積もって5年は寿命が縮まるな(って、なら飲むなぁ)。